西郷輝彦の主な出演映画とその想い出
 私がはじめて観た西郷輝彦の映画は主演第2作目の「あの雲に歌おう」である。第1作目の「十七才のこの胸に」の時はまだ中学生で、当時、義務教育中は学校許可映画でなければ観ることはできなかったからであるが、今思えば禁止するような内容ではないのだが、当時の教育審の感覚とはそういうものだったのだろう。
 「あの雲に歌おう」の時も実はまだ中学三年生であったのだが、私の街で公開されたのは2月の末、もう卒業を間近に控えていて、先生も大目に見るだろうと勝手に予測して、行きつけの銭湯のひとつ年上の娘「さよちゃん」と観にいった。この娘は熱烈な西郷輝彦ファンで、朝一番に入場して夜までぶっ通し!都合連続5回観た。当時私の街の映画館はほとんどの場合入れ替えなしだったのだ。だからあらすじはほとんど覚えてしまっていた。(いまはおぼろげだが・・)なかでも、やはり西郷輝彦が歌うシーンが一番印象に残っている。峠道を剣道具をかついで歩きながら「我が青春」を歌い。広い草原で木刀を振り回しながらの「薩南哀歌」。あと、ジャニーズがデビューしたのもこの映画で「若い涙」を歌うシーンがある。それから本間千代子の入浴シーン(といっても当然一部分しか見えていないのだが)にはドキッとさせられた。
 集団就職で東京へ出て社会人となって観たのが「この虹の消える時にも」で、相手役の盲目の少女を演じた松原智恵子の清楚な感じもよかったが、ひねくれ者の私は、西郷の勤め先の娘、東山明美に気を奪われていた。なぜだろう・・すぐ近所にいそうな庶民的な雰囲気に惹かれたのかも知れない。松原智恵子はどう逆立ちしても届きそうにないキャラクターだが、東山明美なら(本人には失礼!)と思ったのかどうかはわからないが・・、だがなんといってもこの映画で光っていたのは、少年院時代の仲間で、出所してからもしつこくつきまとう不良役の荒木一郎である。
 荒木一郎は女優荒木道子の息子だが、脇役、それもどこかひねた不良の役が多かったし、またそれが妙にハマっていた、西郷輝彦とは結構縁があって、映画の前にはNHK「お姉さんといっしよ」をはじめとして数本のテレビドラマで共演している。
 この「この虹の消える時にも」から数ヶ月後、不良役の荒木一郎が「空に星があるように」でレコード・デビューをし、大ブレイクするなど、この時誰が予想したであろうか。しかも、自作自演(もう死語になっているがシンガー・ソングライター(これも死語か?)のことである)であり、自らのバンド「マグマックス5(ファイヴ)」を率いて、先にブレイクしていた同じく二世俳優の加山雄三と、一時期は堂々と渡り合ったのである。
 ちょっと話がそれてしまったが、そんなこんなで「十七才のこの胸に」もリバイバル上映で観たし、結局この60年代に公開された映画は全部観てしまった。といっても私はもともと映画、それもおエライセンセイ方にはにはB級とされている邦画が大好きで、この当時の青春映画に限っての話だが・・。
 昭和48年のテレビドラマ「どてらい男(やつ)」からは俳優にシフトしてしまったので、歌が聞けなくなったのは残念だったが、もともと演技派だったし、年齢的にいっても、流行に左右される歌謡界よりはいいかなとその時は思った。私は以前から、その顔立ちからして時代劇には絶対合うと思っていたのだが、やはり時代劇で活躍の場をひろげていったのはご存じの通り。いつかは橋・舟木・西郷の御三家で、徳川御三家を描いた娯楽時代劇が作れないかと、企画を練っているところである・・。

主演第一作映画、東映「十七才のこの胸に」の鹿児島ロケで開聞岳をバックに相手役の本間千代子と。
[PHOTO]近代映画社
[主な出演映画]

●十七才のこの胸に(東映・東京/昭和39年11月14日)
●あの雲に歌おう(東映・東京/昭和40年1月15日)
●我が青春(蜂の巣プロ/昭和40年4月28日)
●涙をありがとう(日活/昭和40年4月29日)
●狸穴町0番地 (大映・東京/昭和40年6月12日)
●星と俺とできめたんだ(日活/昭和40年8月14日)
●この虹の消える時にも(日活/昭和41年1月27日)
涙になりたい(日活/昭和41年5月18日)
●遙かなる慕情〜星のフラメンコ(日活/昭和41年8月26日)
●傷だらけの天使(日活/昭和41年12月24日)
●恋人をさがそう(日活/昭和42年5月20日)
●あゝ予科練(東映・東京/昭和43年6月1日)
●釧路の夜(クラウン/昭和43年9月4日)
●霧のバラード(クラウン/昭和44年4月12日)
●海はふりむかない(松竹・大船/昭和44年9月17日)
●青春の条件 東京−パリ(ワールド/昭和45年3月18日)
●狼よ落日を斬れ(松竹・大船/昭和49年9月21日)
●どてらい男(東京映画/昭和50年2月1日)
●柳生一族の陰謀(東映・京都/昭和53年1月21日)
●赤穂城断絶(東映・京都/昭和53年10月28日)
●影の軍団 服部半蔵(東映・京都/昭和55年2月23日)
●甦れ魔女(東映/昭和55年4月5日)
●大日本帝国(東映・東京/昭和57年8月7日)
●小説吉田学校(昭和58年4月9日)
●海嶺(松竹/昭和58年12月3日)
●空海(全真言宗青年連盟映画製作本部/昭和59年4月14日)
●花いちもんめ(東映・京都/昭和60年10月10日)

TOP STARFILES TOP

このサイトに掲載してある画像・文の無断転載を禁じます。
リンクは構いませんが、必ずご一報ください。
このサイトはIE5.0にて動作確認をしております。

このサイトはあくまでも個人的な趣味で作成しているもので、営利目的ではありません。しかしながら、もし、使用してある写真及び記述が、著作権者並びにご本人の権利を害するものであれば、当サイトの本意とするところではありません。申し出でいただければ速やかに削除します。
歌謡曲をこよなく愛する者のささやかな楽しみですのでひらにご容赦くださいませ。


access: ringo@ma.wainet.ne.jp