昭和28年(1953)
[はやり言葉]
「さいざんす」
キザな口ひげにフォックス眼鏡、「レディース・アンド・ジェントルメン・アンド・おとっつあんアンドおかっつあん」の第一声とともに登場。そろばん芸と軽妙な話術で一世を風靡したボードビリアン「トニー谷」の言葉。他に「家庭の事情」「おこんばんは」「お下劣ね」「バッカじゃなかろか」「おさいなら」「ネチョリンコン」 「マイ・ネーム・イズ・私自身マイセルフ」など息もつかせず連発。その怪しい英語をとり混ぜた独特の語り口は「トニーグリッシュ」などと呼ばれた。
「コネ」
コネクション(縁故)の略。この年は株と消費景気に沸いたものの就職難は相変わらず、そういう世相を背景に学生たちの間でクローズアップされた。今も昔もコネがものをいうのが人間社会。
「戦後、女と靴下は強くなった」
新憲法では「男女同権」が謳われ、厚木から国産初の丈夫なナイロンストッキングが発売。最初の発言は朝日新聞の門田勲と言われているが、女が強くなったのは「権利」だけで、反面「シンの強さ」は薄れていった。との陰の声も聞かれた。
「八頭身」
7月16日(日本時間17日)アメリカ・ロングビーチで開かれたミス・ユニバース第二回世界大会で、日本代表の伊藤絹子が第三位に選ばれた。その外人にひけをとらないプロポーションは「八頭身美人」として日本女性の憧れの対象となる。この事は「胴長短足」と言われた日本人が「体型」にも目を向けるきっかけともなった。
「むちゃくちゃでござりまするがな」
ラジオドラマ「お父さんはお人好し」の花菱アチャコ扮する阿茶太郎のセリフで、他に「えらいことになりにけり」「わたし、どうしましょう」などもこの番組から生まれた。
「チケット・ボーイ」
なんのことはない、ダフ屋のことだが、それまでのスタイルでは印象が悪いことから、スーツを着てキザな英語を使うダフ屋が出現、呼び方も新しくというわけだが、結局、現代でも「ダフ屋」という呼び方が定着している。
[新登場・ヒット商品]
■食料品・お菓子
●お茶づけ海苔(永谷園、30円)
●6月、名糖産業が粉末オレンジジュースを発売。(100円)。
●10月、阪急共栄物産薬品部が「ヴィックスコフドロップ」(米国ヴィックス社)を輸入販売。(20粒60円)
●不二家パラソルチョコレート発売 。傘を形どった斬新なデザインがうけた。
■生活・日用品・雑貨
●1月、東京ジュジュ化粧料本舗が「ジュジュ・ファンデーション」を発売。
●3月、厚木編機(現厚木ナイロン工業)が国産初のナイロン製シームレスストッキングを発売。
●4月、花王石鹸(現花王)が合成粉末洗剤「ワンダフル」を発売、200グラム入り50円。
●8月、三洋電機が日本初の噴流式電気洗濯機「SW-53」を発売。価格は28,500円と3万円を切っ たのと角形のデザインが人気を呼んだ。
●11月28日、東京・青山に日本初のスーパーマーケット「紀伊国屋」がオープン。
●12月1日、新百円札発行、肖像は板垣退助。
●12月、パピリオ化粧品が「パピリオ・ドオル」を発売。
■ファッション
●エバーグレースなどの樹脂加工布地やナイロンブラウスのが急速に普及、「透けるファッション」が話題となる。夏にはノースリーブやシースルーのワンピースが流行し、肌の露出が多いために役所内での着用で論議を呼んだ。
●デパートで婦人服のイージーオーダーが始まる。
●11月25日、クリスチャン・ディオールが帝国ホテルと東京会館で「ディオール・ショー」開催。入場料が高価にもかかわらず大盛況。日本でも「ディオール」旋風が巻き起り、ショートスカート、チューリップラインが人気を集めた。
●秋から冬にかけ、ドラマ「君の名は」人気による、ショールを頭から首にまいた「真知子巻き」がブームとなった。
●ナイロンの普及により、女性の下着への関心が高まる。下着ショーの開催が盛んになり、ペチコートやブラジャーが人気を集めた。
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