5月である。
外は目にも鮮やかな五月晴れ、みどりのそよ風が心地よく頬をなでる・・・はずだが。なんだ!なんだ!なんだぁーっ!発泡酒が増税だとっ!これでは爽やかな気分になれないなぁ。 ったく・・・。長びく不況でわが家も緊縮財政、貧乏父さんは小遣いを切りつめ、銀色に輝く「ドライ」が飲みたい!という欲求をグッ!とこらえて、真っ赤な「発泡酒」でなんとか我慢してきたのに、さらに我慢しろというのか、別次元で暮らしているお役人どもにはわかんねえだろうなあ、庶民の生活が・・・。 1ケースや2ケース買だめしたところでたかが知れてるが、それでも前日にディスカウント店に走るこの健気さ、店は予想通り大混雑であったが、中には「100ケース売ってくれ!」という豪の者もいたりして、さすがにこれには店側の拒否にあってすったもんだともめておった。 そう言えば昔、「ビールを発明した奴にはノーベル賞をあげたい」というCMコピーがあったが、まったく同感である。よくぞ、こんなうまいものを発明してくれたもんだ。で、ビールって、いつ、どこで誕生したんだ? 物の本によると、ビールは紀元前3000年頃のバビロニア、メソポタミア地方(現在何かと騒がしいイラクあたり)人類最初の都市文明を築いていたシュメール人が、すでに造っていたらしいと書いてある。しかも、20種類ちかくも。もちろん現在のビールとはだいぶ違うようで、なんでも麦芽パンをくだいて水に入れ発酵させたものであったらしい。 いま、我々が飲んでいるのはピルスナータイプのラガービールで、19世紀の中頃にチェコで誕生したもの。ちなみにここでいう「ラガー」というのはラグビー選手ではなくて、ドイツ語で「貯蔵」という意味だそうだ。ようするにじっくり熟成させたビールということだな。 では、日本ではどうかというと、初めてビールが造られたのは江戸時代、1853年(嘉永6年)というからペリー提督が来航した頃、三田地方(兵庫県)の蘭医学者、川本幸民という人がオランダの書籍を参考にして、江戸の自宅の庭でビールを醸造したとされている。一般向けに販売用としての(といってもかなり高価だったが)製造が始まったのは明治になってからで、明治9年(1876)に札幌において開拓使麦酒醸造所(現在のサッポロビール)が誕生している。 うーむ、なるほどねえ。さて、「お前の体内には血液ではなくてビールが流れている」と皆に言われるくらいビール好きの私だが、集団就職で東京へ出た15の夏、会社の先輩に連れられて行った店で生れて初めて口にしたのが「とんかつ」と、そしてビールだった。ま、未成年で酒を飲んだということになるわけだが、これには後日談がある。とにかく、田舎にいる時は、月に一回食えるかどうかの「たまご焼」が一番のごちそうだったので、「この世にこんなうまいものがあるなんて・・・」と唸りながらとんかつを食ったのを今でも忘れない。そして初恋の味よりうまかったビールである。ただ、ひとつだけ気になったのは、先輩がビールを注文する時に言った「ホッピふたつ!」という言葉だった。「ホッピ」?。だが、目の前に置かれたのはどう見てもビールである。「東京ではビールのことをホッピと言うのか?」とその時は思ったが、それが「ホッピー」というノン・アルコールビールの事だと知ったのはずっと後になってからである。なにしろ私の田舎では「ホッピー」なるものは売られていないのであるから知るよしもない。そういえば確かにちっとも酔わないので変だとは思ってたのだが、それにしても、未成年の私のために、自分も「ホッピー」でつき合ってくれたその時の先輩の心遣いにはまいった。
2003.5.1
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